行きつくところ
「どこに行くんですか」「なにいってんの、仕事でしょ」
「ジュンもちゃんと支度して学校行くんだよ」「ああわかってるよ」母が仕事にでかけたようだ。オレも学校に行く準備しないと。
オレの名前は、豆伸ジュン、現在中学3年生の男子だ。
スマートフォンというものがあるが、それにかわるものがでてきた。名前の総称をネームという。
スマートフォンみたいな端末というすがたではなく指輪タイプの端末といったところか。
このネームというもの、人間の脳に直接アクセスして自分のヒトミ、つまり目から情報が映し出される。
映し出されるといっても目から光線がでるわけでもなく普通に見える。
映し出された映像はほかの人からは見えないようになってる。見せるようなときは、設定で切り替えることができる。
使ってみると、不思議なかんじだ。目の前にスマートフォンやタブレット端末のようなものが見える。
タップした感じもちゃんと感覚がのこる。だけどほかの人からは、その端末らしいものが見えない。
仕組みがよくわからないが、こういうものが世にでてきた。
現在は西暦2080年、ひとが人であるためになにかをやってのける時代だ。