モッチtoヒッツの自由な時間

これからの自分を見つけだす

こんな未来だったらいいのにな 奇跡のアンドロイド

奇跡のアンドロイド

「ネームいるか」

 

『はい、ここにいます』

「ネーム、他にどんなことができるの」

 

『いろいろとできますが、

なにか例えをいってもらったほうが

説明しやすいです』

 

「それじゃ

アンドロイドっているじゃない。あれは作れる」

 

『無理です』

 

「えーできないの、残念」


「中学に入ったころさ

好きなキャラがいてね、

 

アニメの女性キャラなんだけど

そのキャラを自分なりにアレンジしてたんだ。

 

それをアンドロイド化

できたらいいなって思ってね」

 

と言うとすぐ答えが返ってこず、

ネームがなにやら考えている。

 

ネームが答えた。

『難しいですが時間が必要です』

 

「いいよいいよ、

時間は気にしないから」

 

『ジュンさま、

その女性のキャラには

色はつけてありますか』

 

「色? ああついてるよ、なんで」

 

『色がついてないと

処理に膨大な時間がかかります』

 

「そうなんだ」

 

『ジュンさま、

あとこの件に関して

約束してもらわないといけないことが、

少々ございます。


私、ネームの事

ここでの出来事は

他の方には言ってはいけません。

 

それとアンドロイドは

この家からは出さないようにお願いします。

よろしいですか』

 

「ああ分かったよ、

ネームとの約束は守るよ、

それでどうやって作るのさ」

 

 

『それは言えませんが、

このアンドロイドは

人間と区別がつかないほど完成度が高いです。

 

自分で考え行動できます。


人間に危害がおよぼさないようになっていますが、

万が一のときに

強制的に制御できる装置を中に組み込んでんます。

 

その制御はネームの中で出来るようになってます』

 

 

軽く聞いたつもりが、これはすごい技術だな。

 

今でもアンドロイドは存在するが

自分の意思で行動まではできない。

 

 

コイツはいったいどの時代からきたんだろうか。

 

「じゃ 完成したら教えてくれよ、ネーム」

 

『分かりましたジュンさま』

 

できあがりが楽しみだ。

 

 

アンドロイドが来た

あれから4ヶ月が過ぎ、季節も暑い夏になった。


ネームから連絡があり、

もうすぐ完成のときを迎える。


物理的にどういう手段でアンドロイドを

持ってくるものなのかは、分からないが、

 

画面の中から出てくることはないと思うのだが...

 

 

だが予想とは違うかたちでの出会いだった。

 

玄関のほうで聞きなれない物音がし、

急いで行ってみると

そこにはオレがずっと画面の中で見続けていた彼女がいた。

 

天から天使が舞い降りたごとく強烈な印象だった。

 

オレが設定した服だが、なぜか違って見えた。

外を歩いてきた感じではなく、ここに転送されたかのようだ。

 

これがアンドロイドというものか。

 

さっそくオレの部屋につれていき、

ネームの指示を仰いだ。

 

『ジュンさま、ご希望通りでしょうか』

「ぜんぜんOKだよ、ありがとうネーム」

 

『ジュンさま、

この前の説明で言ってなかったことがあります。

洋服など身につけるものは

私、ネームの中のアプリでお願いします』

 

「どういうこと」

 

『ネームの中のアプリで洋服を選択します。

 

それがこのアンドロイドに即反映します。

 

洋服は100種類程度用意しております。

お望みならば、

ジュンさまが作成することも可能です』

 

おおーすげー 感動

 

あとは、この部屋だけで生活は無理だろうから、

おふくろをどうやって説得するかだが

ま それはあとで考えるか。

 

「ネーム、アンドロイドっていう

呼び方はへんだから名前つけていいか」

 

『はい、よろしいです』

 

アニメと同じ名前でもいいが

せっかくだからほかの名前にしよう。

 

うーん、なにがいいかな。

ありきたりの名前でもいいが...

 

「うん、セシリアにしよう
今日からキミはセシリアだ。よろしく」

 

『はい、こちらこそ』

 

おおしゃべったぞ!


「おれは、豆伸ジュン

 

ジュンって呼んでくれ」

 

『わかりました。ジュンさま』

 

「ジュンでいいよ」

 

「ネーム、日常生活は支障なくできるの」

 

『はい、家事全般

身の回りのことはなんなくこなします』

 

家事ができたら、

それを理由におふくろにいいだしやすいしな。

 

 

夕方になり、おふくろが仕事から帰ってきた。


「おふくろ、ちょっと話があるんだけど」

「今、夕飯の準備でいそがしいのよ、なに」

 

「聞くだけ聞いて。

信じられないことなんだけどネームってあるじゃない。

 

そのネームがアンドロイドを

作って今この家にいるんだ。

 

そのアンドロイドね、

家事全般 掃除 洗濯ができるんだよ。

 

お願いします、

この家にセシリアをおいてくださいませ」


「あたま、だいじょうぶ」

 

「正常正常」

 

と言ったあと

真剣なまなざしでおふくろを見ると

おふくろがけわしい顔つきになる。

 

「見たいから連れてきて」

 

「はいただいま」


急いで二階に駆け上がりキッチンに連れてきた。


「ふーん きれいな子ねぇ、これがアンドロイド

人間じゃないの」

 

「違うよアンドロイドだよ」
「だったらアンドロイドっていう証拠見せてみ」


そうきたか。


セシリアが話した。

 


『おかあさま、アンドロイドは人間と違い機械です。


外見は人間とそっくりでも中身が違います。


一番の違いは臓器を持ちません。


おかあさま、私の左胸に手をあててください。これが証拠です』

 


おふくろがセシリアの左胸に手をあてる。


ほんとうだ、

心臓の鼓動がしないし体が冷たい。

 

ほんとうに人間じゃなくアンドロイドなんだ。

あんなに体が冷たい人間なんていないしね。

 

もう信じるしかないわね。

現にここにいるんだから

 

「わかったわ、認めるわよ」


「おふくろ、それじゃセシリアといっしょに

ここにいてもいいのか」

 

「しょうがないわね、

いっしょに住んでいいけど家事はたまに手伝ってね、

それがここにいていい条件よ」


「ありがとう、おふくろ感謝する」


ジュンがそこまでいれこむとはね、がんばりな


おふくろの了解は得た。

 

これで、セシリアといっしょに住めるぞ。

 

 

『今日からお世話になります。

名前をつけてくださり、ありがとうございます

セシリアです』

 

「セシリアさっきはありがと、おふくろのこと」

 『いいえ、あたりまえです、私のことですから』

 

なんか緊張するな

かわいいもんな、

変なことは考えるなジュン

 

『ジュンさま、

なんでもおっしゃってください。

私は人間じゃないので気を楽にしてください

 

よけい緊張するな、なんか言わないと

 

「えっと、セシリア

 

『はい』

 

「お風呂は入るの

 

『いいえ、入らなくていいようにできてます』

 

「そうだよね」

 

へんな会話から始まったセリシアとの生活。

 

オレはセシリアをどういうふうに使っていくのか、

また、どういうふうに付き合っていくのか

 

まだ分からないが、

人間に近い存在としてつきあっていこうと思う。