未来からの使者というと映画のワンシーンを思い出すかもしれないが、現実になったらどうしよう。なにも悪いことはしてないはず。だが未来からセシリアのことを調査にきたようだ。
アンドロイドのアーネスト
仕事から帰ってくると誰かがセシリアと話をしている。
ドアのすき間からチラッと見えた。どうやら1人のようだ。
「セシリア、誰かきてるの」
『はい、私がいた時代のアンドロイドのアーネストさんです。ジュンもこっちに来て』
セシリアの呼び掛けでセシリアの隣にすわる。そこには女性の姿があった。
「初めまして、ジュンといいます。
セシリアにどういった用件なんですか」
オレが敵意むき出しの口調で言ったせいか、セシリアがすぐ反応してアーネストのかわりに答えた。
『それがですね、私がこっちの時代に来て10年、なんの問題もなく人間といっしょに暮らしている。そのことが評価され、次のアンドロイドが派遣されたんです。』
「そうだったんですか。攻めるような口調で言って申し訳ありません。
だけど、たまたまうまくいったにすぎない。それだけのこと」
アーネストが言った。
『そんなことはありません。セシリアからいろいろ聞きましたが2人の関係は良好そのものです。私も良きパートナーに出会いたいものです』
『紹介がおくれました。私、アーネストと申します。
以後お見知りおきを』
ネームがセシリアを作ってくれて、オレとセシリアがいっしょに生活したことが評価されてる。
セシリアが連れていかれるんじゃないかとヒヤヒヤしたが思いすごしのようだった。
3人でいろんな意見を出しあい話あった。あっという間に時間が過ぎ、アーネストが未来に帰った。
「セシリア、アーネストと話してどうだった」
『どうでしょう。評価されていいかどうかは分かりませんが、この先もジュンといっしょに暮らせるので安心しました』
未来からの使者は、オレたちを評価してくれた。
この評価がこの先どんなふうに変わっていこうとオレは構わない。
オレの未来はセシリアと共にあるのだから!