モッチtoヒッツの自由な時間

これからの自分を見つけだす

こんな未来だったらいいのにな ふたりのアンドロイド

難しく考えるな

最近、アーネストの雰囲気が変わった。

というよりかなり変わった。

 

外見的なところでいえば

服装の露出度が高いものになった。

 

オレ的には嬉しいかぎりなんだけど、

どうしたんだろう。

 

 

「アーネスト、最近なにかあった」

『なにか.. といいますと』

 

「いやね、急に服装が変わったからさ。

なにかあったのかな。と思ってね」

 

『服装ですね』

『ジュンがこういうの好きって

セシリアから聞きました。

似合います?』

 

「おお、全然OKですよ!」

 

『よかった。喜んでもらって』

 

 

セシリアがこの会話中

ずっとオレのほうを見てる。

 

といより、睨みにちかい。

 

どうしたものか。


セシリアになんて声かけよう。

 

 

「セシリア」

 

『なんですか( *`ω´)』

 

「あのさ、怒ってる...よね」

 

『怒ってますよ。もうジュン..』

 

『アーネストばっかり見てる』

『私のほうも見てください』

 

 

なにかいい案はないか。

 

考えろジュン。


こういうときは、

お出かけとか、ドライブ、旅行とか

 

いっしょになにかを

やりとげるものが欲しい。

なにかないか...


そうだ、前に一度セシリアと

戦闘ゲームやったな。

それでいくか。

 

「なあ セシリア」

 

『なんですか』

 

「前に一度戦闘ゲームやったじゃない、

それって今でもできるの」

 

『そうですね..  できますよ』

 

「3人でもできるかな」

 

『だいじょうぶです』


できるんだ、よし!

 

「アーネスト、

前にセシリアとやったゲームやらないか」

 

『ゲームですか、

おもしろそうですね、やります』

 

「じゃ、決まり。服装決めて行こう」

 

『ジュン、

服装もイメージすれば

装着できるようになりました』

 

「そうなんだ。

作らなくていいんだね」

 

『では、異次元空間に転送します』

 

シャーーーー

 

 

 

ふたりのコンビネーション

今回の舞台は、未来都市。

 

建物もしっかり残ってて

敵が出てくるような気配はない。

 

前はたしか手紙を届けるような

設定だったが今回はなにも出てこない。

 

どういうことだ?

f:id:mottitohittu:20190327123149j:plain

 「セシリア、

今回の目的みたいなものはないの」

 

『不思議ですね。

手紙か手紙に代わるものが

出てくるはずなんですが..』


この時は、そんなこともあるのか

ぐらいにしか思ってなかった。


「とりあえずスタートしようか」

 

『はい』

 

 

今回の戦闘スタイル、

セシリアは胸と腰の部分を重視した装備、

剣は今のところ持ってない。


アーネストは見た目、かなり薄手の戦闘服だ。

 

剣を両手に持っている。

かなり服装とのギャップがある。

 

オレはというと、

後方支援のつもりなのだが、

念のため全身鎧を装着、剣と盾もつけた。

完全武装ってやつだ。

 


目の前にはスタジアムみたいな

大きな建物がある。

 

大きさでいえば野球やサッカーなどが

十分行える広さだ。

 

そしてスタジアムに入ると

自分がイメージしている感じではなかった。

 

観客席がなく

ほんとに、ただっ広い空間だ。

ここには何もなかった。

 

「セシリア、

ここには何もないけどどうしようか」

 

『一番奥に扉があります、行ってみましょう』

 

 

奥の扉に向かう途中、なんかすごい

違和感を感じたが気のせいか。

 

 

扉を開けると目の前に分かれ道がある。

どっちが正解だ?

 

「セシリア、アーネストとっちだと思う」

 

『そうですね。右の道でいきましょう』

 

『私も賛成です』

 

「なぜ、そう思う」

 

『それは、このステージのマップがあるからです』

 

「そうなの、ちゃんとあるんだね。マップ」

 

『はい』

 

アーネストが言う。


『ちなみに左の道は行き止まりだよ』

 

「了解」

 

 

右側に進路をとり、

進んで行くとそこは外観からは

想像もつかないような田舎道に出た。

 

一面 草木が膝のあたりまでしげった感じの場所。

天井は高く紫色で覆われている。

 

「セシリア、

行き止まりっぽいけど こっちで間違いないのか」

 

『はい、今マップで確認します』

『あ.. さっきの道と入れ替わってます』

 

「なに」

アーネストが言った

『こういう仕様なんでしょう、

戻ったもうが懸命ね。2人とも急いで』

 

そのときだった。

地面から巨大な薄気味悪いアリゲータが出現した。

 

「罠か、でかいな」

 

『ジュン、下がって』

 

セシリアとアーネストが

先頭に立って攻撃を試みる。


だが、表面を覆っているものが

固すぎてアーネストの剣がアリゲータに刺さらない。

 

セシリアの手に剣が転送された。

 

セシリアが剣を振りかざしたとき、

長く太い剣になった。

 

『ゼリャー』

 

セシリアの剣がアリゲータの

胴体の部分に刺さり、

 

続いてアーネストが同じ部分に

二刀流の剣を刺した。


かなり効いたのか

アリゲータがバタグルイはじめ、

 

オレたちのほうに突進してきた。

 

「やばい、逃げろ」

 

アーネストが言った。
『だいじょうぶ、私がジュンを守ります』

 

アーネストが

二刀流の右の剣をアリゲータに投げつけ

アリゲータの左目に刺さった。


そのままジャンプし

剣を振りかざしアリゲータを真っ二つにした。

と思ったが足りない。


そこに後方で待機していた

セシリアの一撃でアリゲータをしとめた。

 

『セシリア、ナイス』

 

『いいえ、アーネストが

突破口を切り開いてくれたおかげです』

 

なんかいい感じになってきた。

が、そんなゆっくりもしてられない。

 

「さあ、はやく引き返そう」

 

『分かりました』

 

急いで きた道を引き返す。

分かれ道のところに着いた。

 

だがもう一方の道はなくなっていた。

なんかいやな予感がする。

 

「セシリア、マップを参照してくれ」

 

『はい ない.. なくなってる』

 

「何がなくなってるんだ」

 

『このステージ、

最初はあんなに広かったのに

今は、扉の向こうの部屋しかありません』

 

なにがなんだか分からない。

 

だけど...

 

「よし行こう」

 

『はい、ジュン』

 

扉のドアを開けるとそこは部屋ではなく、

異次元空間になっていた。

 

そこに待ち受けていたものは、

限りなくオレたちだけでは倒せないものがいた。

 

人間とアンドロイド

『私たちと同じアンドロイド..ですか?』

 

『セシリアもそう見える』

 

『はい』

 

そこには、

セシリアやアーネストとは、見た目が違う

アンドロイドが2体立っていた。

 

だが、完全武装で顔すら確認できない。

 

1体のアンドロイドがオレたちに話しかけてきた。


『お前たちは、絶対に入ってはならない領域に入ってしまった』

『この部屋からは出さぬ、故にここで倒す』

 

 

「おい、鎧の騎士

さっき通ったときはいなかったくせに

なぜ戻ってきたらいるんだ」

 

「隠れていたのか、

この部屋から出さぬとはどういう意味だ」

 

『お前たちには我々が見えなかっただけだ』

 

続けて鎧騎士が言う
『この世界は人間の欲を司る器だ』

『お前がそこにいる2人のアンドロイドを
独占したいと思う

イメージそのものがこの世界を創りあげた』

 

オレがこの世界を創った、そんなバカな。

 

「独占したいと思うことはダメなことなのか」

 

『ダメではない』

『だがこの世界ではイメージがすべてだ』

『人間がイメージしたことが、
この世界のイメージに変換される』

『分かるか人間よ、お前のイメージが

今いるこの世界を創りだしたのだ』

 

よく分からんが、ここから出るためには

2体の鎧騎士を倒すしかない。

 

 

「セシリア、なにか策はあるか」

 

『はい、あります』

 

『ほんとうにこの世界が

ジュンのイメージだどすると

ジュンのイメージを超える力が必要です』

『それを私たちが証明しましょう』

 

 

オレのイメージを超える力

 

 

アーネストが言う
『セシリア、2人で協力してなんとか倒しましょう』

 

『了解、アーネスト』

 

 

セシリアとアーネストが1体を集中して

攻撃するが、盾に阻まれヒットしない。


ならば、もう1体のアンドロイドに

攻撃をしかけるがこちらは剣に阻止される。


不思議なことに、

1体を攻撃してるときにもう1体は仲間の援護はしない。

 

もう一度、同時攻撃をするがやはりダメだ。

 

どんな攻撃をくりだしても

敵のアンドロイドに

致命傷を与えることができない。

 

そうしているときにセシリアが

敵の一撃をくらってしまい倒れこんだ。


アーネストがセシリアに駆け寄り援護するが

2体の鎧騎士がアーネストに同時攻撃を行う。


この攻撃に耐えきれずアーネストも倒れてしまった。

 

どうする。

オレなんかが出て行っても勝ち目はない。

 

このまま倒されて、ゲーム終了でもいいか。

生命の危険はないのだから..

 


すると天井から

オレンジの布のようなものが舞い降り

セシリアとアーネストを包み込んだ。


するとセシリアとアーネストが立ち上がった。

キズが癒えてる、回復したのか?

 


セシリアとアーネストがお互いの顔を確認した。


なにかやるつもりか。


セシリアとアーネストが

お互いの剣をぶつけるように重ね、

もう片方の手を天高く握りしめた。

 

『天を守りし偉大なものよ、今この時を告げる』


そしてイメージする。


そして、重ねた剣から光線のような強い光が出たかと思った瞬間、

1体のアンドロイドに剣が刺さっていた。

 

アーネストが言う
『今度は刺さったね。これで終わりよ』

 

1体のアンドロイドが消滅した。

 

もう1体のアンドロイドが言葉を発する。

 

『よく倒せたな、そんな装備で

だが、そんなお前たちが少し気にいった』

 

『お前たちなら人間とアンドロイドの

ほんとうの意味での共存ができるかもしれん』

 

意味深な言葉を残し、

もう1体のアンドロイドも消えゲームは終了。

無事、自宅に戻れた。

 

「セシリア、アーネストお疲れさま。

変な感じのゲームだったね」

 

『ジュン、あのゲームは誰かの手によって

仕組まれたものだったようです』

 

「セシリア、誰なの」

 

『誰なのかは分かりませんが、でも楽しかったですよ』


「それとさ、

ふたりの息があったあのスキルよかったよ」

 

アーネストが言う
『よかったでしょ、アーネストが考えたのよ』

 

「へえー、あのスキルの名前なんていうの?」

 

アーネストが言う
『プロテクションソードっていうの』

 

「プロテクションソードか、いいスキルだ」

 

 

セシリアが

いい表情でオレを見ながら口走った。

 

『ありがとう』

 

『私も皆と楽しめてよかった。

また、やりたいね』

 

罠にはめられたようでくやしいが、

セシリアとアーネストが仲良くなれたようでよかった。