モッチtoヒッツの自由な時間

これからの自分を見つけだす

こんな未来だったらいいのにな セシリアとお出かけ

あれから3年が経ちオレも成人を迎える。


セシリアは...というと

メンテナンスもあまりやってこなかったが

動かなくなることはなかった。


ほんとうに人の手で

作られたアンドロイドかと思う。

 

多分、人の手ではないと思う。

 


3年たった現在アンドロイドは存在するが、

自分の判断で行動できる

アンドロイドはまだいない。

 

セシリアだけが

自分の判断で行動できるアンドロイドだ。


だが、いっしょに生活してきたなかで

アンドロイドだと思ったことは少ない。

 

なぜなら、ほとんど人間と

生活サイクルが変わらないからだ。

 

 

セシリアとお出かけ

「セシリア、こっちおいで」

 

『はい、ジュン』

 

「どこかにお出かけしようか」

 

『どこに行くの』

 

「どこに行くってわけじゃないけど、

ドライブだよ。ダメかな」

 

『ダメじゃないよ、

ジュンの行くとこだったら行きたいよ』

 

「ネームの許可は取ってるから大丈夫だよ」

 

「それじゃいこっか」

 

『はい』

 

初めてセシリアとのドライブ。

 

自分が気に入った女の子を

隣りに乗せるって幸せな気分。

 

 

ボンネットを開け簡単なチェックをする。

 

そこにセシリアが

興味深くボンネットの中のエンジンを見る。

 

『まだ、エンジンが載ってる車ってあるんですね』

 

「そうだね、けっこう昔の車なんだけど

大事に乗ってたんだ」

 

『ジュンはモノを大事にするんだね』

 

 

セシリアが助手席のドアを開け

車に乗り込んだ。

 

オレもそれを見つつ運転席に乗り込む。


シートに座り、いつも見ている光景だが

となりにセシリアがいると違うな、

嬉しい。

 

そしてエンジンを起動させる、

 

グゥウォーン

いつもながらいいサウンドだ。

 

車を走らせ、いつも通りの加速をすると

セシリアの表情が一変する。

 

『風が気持ちいいね、ジュン』

 

車の窓を開けたようだ。

 

こういう反応されると、

こっちまでいい気分になる。

 

「顔や手を出さないようにね」

 

 

『了解しました』

 

 

どことなく声がハイな感じに聞こえる。

 

『ジュン、どこに向かっているの』

 

「怖いところ」

『え... 怖いところってどこですか(>_<)』

 

「ウソウソ。

オレもテンション上がってきたから

ウソついてみた」


『ほんとにびっくりしたんだから』

「ごめんね」

 

たわいもない会話だが

オレはそれでもよかった。


好きな子と

いっしょにいるだけでいいんだから!


車を速く走らせ、あっというまに目的地に着いた。

 


「セシリア、ついたよ」

 

『ここはどこ』

 

「どこかの山... かな」

 

『景色がいいね。こんなとこあったんだ』

 

「ここはさ、小学生の頃 自転車できてたんだ。

 

この長い登り坂を

時間かけて力いっぱいペダルをこいでさ」

 

『今のジュンからは想像できませんね』

 

「そうなの」

 

『はい、そうですよ』

 

 

セシリアと見る景色

小学生の頃、何回も見た景色だが

いま見てみると、こんな景色だったかなと

思うほど違って見える。

 

小学生のとき見た景色、

いろんなものが大きく見えた。

 

大人になり同じ景色を見たとき

いろんなものが小さく見える、

 

オレ自身がでかくなったので

あたりまえの話だが。


セシリアとは高校生のとき

初めて合ったわけだが、

 

あの頃と今ではセシリアの見えかたは

そんなに違わない。

 

オレの身長が伸びたぶん少し小さく見えるのかな⁉️